日本の薬害
日本では薬の消費量が世界的にも多いと言うことを紹介しました。
では何故日本ではこれほどまで薬の消費量が多いのでしょうか。
その背景には二つの側面があると言われています。
その一つは患者が病院で医師によって薬剤師から薬を出してもらい、そして、それを服用すること自体で安心感を持つためだと言われています。
医師は薬剤師に伝えて、必要に応じて薬を処方するのですが、時に患者に安心感を持たせる意味で薬を処方している、とも言われています。
確かに患者が薬を服用することで安心すると言うのなら、患者の精神衛生の面でもそれは大切です。
医師が患者に対して、時には過剰に薬を処方するのはこのように患者を安心させる意味合いも少なくないのです。
しかしこの傾向が強くなりすぎると、当然いいことではありません。
例えば患者が「薬がありさえすればいい。
」と思って精神的に薬に依存することになり、また逆に薬がないと患者の不安な心を煽ったりすることにもなりかねません。
また患者の中にも、「病院が薬を出すと医師や薬剤師も診療報酬が受け取れる。
」と勘違いをしている人もいるようです。
それによって患者も安心すると言うことで、病院側としても「とりあえず薬を出す」といった処置をすることも少なくありません。
薬が氾濫した原因
病院側と患者との間の一種の悪循環の存在が、日本の医療で薬が氾濫した原因の一つであるとも言われています。
勿論これ以外にも原因はたくさんあります。
こうした背景が日本での薬の使用量を押し上げた原因だとも言えます。
ですがこのように、ときに不必要に薬の使用量が多くなることはそれだけ薬の誤った使用を引き起こす可能性を高め、それが所謂薬害事故を引き起こす可能性も少なくないのです。
皆さんは病気や怪我をしたときに病院に行って薬剤師から薬を渡されることがあるかと思います。
そのとき健康保険証を持っていきますが、では皆さんがこうして健康保険証を持って病院に行ったとき、自分で負担する医療費は一体どれくらいでしょうか。
これは皆さんも大体お分かりかと思います。
そしてそれは薬に対する値段も同じことが言えます。
日本では医療保険によって、通常であれば薬価の3割(ちなみに障害者や老人の場合は2割や1割に減額されます。
)を払うことになっています。
そして残りの7割は国庫から支払われます。
これはどういうことを意味するかと言うと、もし大量に薬が消費されれば、それだけ国庫の負担も増すということになります。
もし私達が病院で必要のない薬の処方を受けて、それを購入しているとしたら、それは自分自身の経済的負担を増やしているだけでなく国庫の負担をも増やしていることになります。
最近になって高い先発医薬品から、同等の効果を持つ後発医薬品(所謂ジェネリック医薬品)を国が認可しようとする動きがありますが、その要因の一つに、新薬の販売、消費によって生じる国庫の負担を軽減する目的があるとも言われていますおり、このような問題と薬剤師は毎日戦っています。