感心する薬剤師

薬剤師などでは毎日のように飛び交う言葉なのですが、皆さんも「薬害」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

日本でも薬害による事故が発生して問題になったり、社会的に大きな関心を引き起こしたことが嘗て幾つかありました。

ここではそんな薬害について説明していきたいと思います。

薬害とは薬品による害、或いは薬物による公害を指します。

キノホルムによるスモン、サリドマリドによる奇形児、血液製剤によるエイズの発生等がよく知られています。

病院の薬剤師から渡される薬害についてもう少し詳しく紹介すると、薬害とは、医薬品の使用による医学的に有害な事象が発生し、それが社会問題となるまでに規模が拡大した場合を言うことが多くなっています。

また中でも特に不適切な医療行政の関与が疑われるものを指すことが多くなっています。

なるほど最近の薬害には、行政による管理の不行き届きが薬害被害を拡大させることが多くなっています。

また臨床医学よりも、医療訴訟や報道等で行政の対応の遅れを非難する際に多く用いられます。

以上が薬害に関する大まかな説明です。

では薬害の発生原因としてはどんなものがあるのでしょうか。

薬の副作用を知る

薬は使用法を誤ると恐ろしい結果を招くことにもなりかねませんので、薬剤師は患者さんに薬を渡す時には、最善の注意を払う必要があるのですが、その薬の恐ろしさの一つが薬の副作用です。

従って薬害には往々にして薬の副作用と関係があります。

例えば薬の副作用のなかで、特に危険なものが見過ごされていて、そうした状況でその薬が使用されてその結果死傷者が多発したというケースがあります。

また薬の副作用の他には重大な薬物相互作用が発生したことによる薬害があります。

これは所謂飲み合わせと呼ばれるもので、副作用と同じく、薬と薬との悪い飲み合わせが知られていない状況で患者が忌諱となる薬の飲みあわせをしてしまって薬害事故に至るケースです。

またこれら以外の薬害の発生原因として、ウイルス等感染源の混入などによるものがこれまでによく知られています。

また薬の発売時点では未知だった病原体による感染が、後に発見されることもあります。

これまで日本や海外で報告された薬害のうち、その多くが以上を原因とするものでしたが、これらを考えると、どれだけ薬剤師が重要な役割を果たさなくてはならないかが判ると思います。

ところで医薬品の開発現場はどうなっているのでしょうか。

医薬品の開発に際しては、通常は十分に治験が行われます。

その目的は言うまでもなく薬の有効性、及び安全性の検証にあります。

では実際にはその治験はどのように行なわれるのでしょうか。

医薬品の開発における治験は、有効性や安全性がまだ充分に確立されていない治験薬(医薬品の候補)をボランティアに投与することになります。

動物だけでなく、人体で治験しないと医薬品の効果や安全性を確認することはできませんから、言葉の響きは良くないですが、これもある意味人体実験だと言えます。

従って治験には慎重な判断と行動が求められ、医療の担い手として薬剤師の存在は大きいのです。

ここでもし必要以上に、多くの人間に漫然と治験薬を投与するようなことがあれば、これは倫理的に大きな問題となってしまいます。

そのため、治験では有効性を検証するために最低限必要な患者数を事前に算出し、その限られた患者のみを対象に臨床成績を評価します。